お酒と言うものは節度を持ち適切に付き合えば素敵な時間を過ごせる素晴らしい飲み物ですが、のめり込んでしまってその上、依存症になってしまうと完全に人にとって毒になります。お酒の飲める人はお酒と上手く付き合う事が大人の嗜みではないでしょうか。
私も若い時はお酒が大好きで週末の金、土、日曜日には毎週飲んでいましたが、会社に反面教師がいたおかげで今ではほぼ飲まなくなりました。
先週の金曜日、後輩3人とサウナに入る為に仕事帰りスーパー銭湯へ行きました。
サ飯を堪能して、いざお風呂へ、体を洗い20時のアウフグースの為に露天の炭酸風呂で長めに湯に浸かっている時、
おもむろに私が後輩3人に向かって。
私「ちょっとだけエモい話していいかな?」
後輩A「…どうぞ…。」
私「Kさん会社辞めるよなぁ」
私の会社にはKさんと言う去年アルコール依存症で精神病院に行った先輩がいます。
多分ここ数年ほぼ毎日酒飲んで仕事に来ていたと思います。週初めは高確率で休みますし言動もマトモではありませんでした。
かなり周りに迷惑をかけていました。
私が若い頃、Kさんと一緒に作業した時、
普通の先輩なら手順書見ながら
「作業の順番はこうだぞ。」
とか
「ここ良く忘れがあるから気をつけろよ。」
など言ってくれるんですが
Kさんは開口一番、
Kさん「オレは若い頃モテた。」
私「へい?("え?" と、"はい?"が混じってこんな返事になってしまいました。)」
Kさん「オレは若い頃モテた。」
…
10個くらい年上のおじさんから、話の入り口が良くわからない謎のマウントの時の絶望感はご察しの通りです。絶対に続きの話聞きたくないですよね。
しかも見た目はお世辞にも良いとは言えないチンピラみたいなおじさんにです。
やはり大丈夫じゃない人だったようでその後、アルコール依存症の治療の為に半年くらい精神病院に入りました。
次に勤務中に酒を飲んだら自主退職してもらうとの約束で復職しましたが。
戻ってきて1ヶ月も経たないうちに、また週初めが休みがちになり、酒の匂いをさせながら出勤するようになりました。アルコール依存症というのは恐ろしい病気です。
少しの間は見逃していたのですがある日、義務化に伴って去年導入されたアルコール検知器で勤務中に検査した所、0.15から摘発対象なんですが0.9という数値を叩き出しました。
そんな事になってしまえば当然退職するという事で私の耳にその話が入ってきました。
私「Kさんこれからどうするつもりなのかね?。」
後輩「………。」
私「酒さえ飲まなければ仕事は出来たのにもったいないよなぁ。」
アウフグースの時間になり灼熱のサウナへ
サウナストーンに降り注いだアロマオイルの香りに癒され熱波師の方にあおいで頂いて辛抱堪らず
水風呂へ
私は最近、水風呂に入ると歳のせいか口が緩みヨダレが出てしまうのですが
なぜかその時は涙が出てしまったのです。
整いイスでちょうど隣になれた後輩に水風呂での話をして
私「サウナ入る前にKさんの話をしたから涙が出たのかなぁ。」
と後輩に尋ねると即座に
後輩B「いやいや、体が水風呂に拒否反応起こしていただけですよ!。」
「あと、露天の時に言えなかったですけど"エモい"の使い方間違ってますよ」
と強めにツッコまれました。
私は「そうだな…。」と答え目を閉じました。
その日のサウナはいつも以上に深く整う事ができました。